騒音リスクの低い分譲賃貸マンションを選ぶメリット

賃貸マンションを探す場合に、対象の物件が元々賃貸マンションとして設計されたものか分譲マンションとして設計されたもの(分譲賃貸マンションと呼ぶことがあります)かを明らかにすることは、簡単に騒音リスクを評価する良い方法のひとつです。分譲賃貸マンションは元々は分譲マンションとして分譲されたものですが、所有していた居住者が転勤などの理由によりマンションを賃貸に出したり、売却先の不動産投資家が賃貸に出したりすることによってできた、賃貸物件です。このページでは騒音リスクの視点で分譲賃貸マンションを選ぶ3つのメリットについて説明させていただきます。

①建物・設備のグレードが高く、騒音リスクが低い(設計思想が異なる)

分譲マンションと賃貸マンションの最大の違いは区分所有者のオーナーの性質です。賃貸マンションのオーナーは原則投資家であり投資利回りを追求します。投資利回りを追求するということは、マンションの設計は、「できるだけ安い設備で高い家賃を設定できる」設計思想となります。一方で分譲マンションはオーナーが自らが居住者であるため原則長く住むことを前提に、「住みやすさ」を重視して設計が行われます。この違いによって賃貸マンションは建物のグレードが低くなる傾向があり分譲マンションは建物のグレードが高くなる傾向があります。ここで言う建物のグレードとはコンクリートの厚みや境界壁、床の構造や、サッシの仕様などを指します。こういった建物や設備の高いグレードが騒音リスクの低さにも結びつき、結果的に分譲マンションの方が騒音リスクが低いのが一般的というわけです。

②居住者の質が高く騒音問題が発生しにくい

対象の物件が分譲賃貸マンションである場合、現在もオーナー=居住者が多いのが一般的です。分譲でマンションを購入したということは(ほとんどはローンで購入するということもあり)それなりに収入があり、社会的信用の高い仕事をされている、住民が多いということを示しています。マンションにおける騒音問題、騒音リスクの高さは住民の質に強く関係します。収入があり、しっかりとしてた仕事をしている人は常識的である確立が高く、そもそも大きな音は出しませんし、注意された場合速やかに解決する傾向があります。

③管理が行き届いており騒音リスクが低い

一般的に分譲マンションでは住民の自治意識が高く、管理規約が比較的厳しく定められており、また守られていることが多いです。 さらに管理人が常駐していることも多く、全般的に管理が行き届いる傾向があります。したがって騒音問題が発生した場合、マンション全体の問題として位置づけ、管理人さんも巻き込んで問題を一丸となって解決しようとする、マンションが多いように思います。一方で賃貸マンションの場合は管理会社に相談をしても「個人間同士の問題ですから」と言ったようにそう問題解決に協力的でない場合が少なくありません。

どうやって分譲賃貸を見分けるのか

このように騒音リスクに対してメリットの大きい分譲賃貸マンションですが、どのように見つければよいでしょうか。不動産物件情報の中に「分譲マンション」と明記されている場合は分かりやすいですが、必ずしも記載されているわけではありません。最も簡単な方法は不動産仲介業者に聞く方法です。それ以外では管理組合の有無を確認する方法があります。通常分譲マンションでは住民からなる管理組合が組成されるためです。管理組合がある場合、マンションエントランスの掲示板を確認すると、管理組合の名称が張り紙や掲示板に記載されているはずですので、確認してみるとよいでしょう。