外部騒音の対策_マンションの防音遮音設備に関するチェック項目

マンションの場合、騒音問題の多くは隣人や上下階からの騒音となっていますが、マンションの外、例えば自動車騒音や飛行機騒音、公園で遊ぶ子供の声といった、外部から差し込む騒音が問題となることもあります。外部からの騒音は同じマンションに住む、住民の問題ではないため(ただ注意すればよい問題ではないため)、解決することが大変難しい問題です。

マンションを選ぶ際に、外部環境からの騒音リスクを低減するためには大きく次の項目をチェックする必要があります。

外部騒音についての遮音防音設備が整っているかどうかを確認する

そもそも外部騒音が発生しにくい環境となっているかどうかを確認する

ここではそれぞれの確認項目について、説明させていただきます。

①外部騒音についての遮音防音設備が整っているかどうかを確認する

部屋の外部と内部をつなぐ部分、つまり外部騒音の取り込み口となる部分の設備としては窓、サッシ、換気扇が挙げられます

1.窓

窓はその開口面積が広いため、遮音性能が低いものの場合、騒音の原因になります。窓は、遮音カーテンなどで防音・遮音対策をしやすい場所ではありますが、一日中カーテンを閉めっぱなしというわけにはいかないでしょう。古い建物の場合薄いガラスの場合が少なくなく、この場合は、手で少し叩いてみると、ガラスがぐらついていると感じます。たたいてみて比較的高い音がするガラスは薄い、遮音性能が低いガラスであると考えてよいでしょう。

2.サッシ

サッシの遮音防音性能は JIS で定められた等級によって表されます。 T 1からT 4の等級で表され、T1であれば25デシベル以上の遮音性、T4であれば40デシベル以上の遮音性能があるとされています。一般的なサッシの性能は T1つまり25db 以上のグレードのものが使用されていることが多いようです。このようにサッシの性能によって外部騒音の遮音性能は大きく変わります。マンションの内見内覧時に使用されているサッシの遮音等級について確認してみると良いでしょう

500Hz以上の遮音性能 製品グレード 性能表示(音環境)
等級なし 15db程度 普通のサッシ 等級1
T1 25db以上 断熱サッシ(一般的なもの) 等級2
T2 30db以上 二枚の窓が合わさる部分やクレセント(カギ)部分の隙間が小さくなるよう改良した+製品 等級2または等級3
T3 35db以上
T4 40db以上 二重サッシにしないと出来ない

3.換気扇(吸気口)

意外に思われるかもしれませんが換気扇口が外部騒音の取り込み後どうなっていることが少なくありません。換気扇の構造によっては室内部と外部が直接つながっている状態になっている場合があるためです。したがって、使用されている換気扇が、防音遮音対応型のものか、あるいは換気扇の中にサイレンサーと呼ばれる防音素材が入っているかといった点を確認する必要があります 

②そもそも外部騒音が発生しにくい環境となっているかどうかを確認する

1.周辺の道路の状況

自動車騒音については、自分の部屋からの道路までの距離、窓が道路に面しているかどうか、幹線道路かどうか、 道路の車線数はどうか、といったポイントを確認する必要があります。特に幹線道路であり、トラックの通行が多い道路、そして車線数の多い道路では自動車騒音が問題となることが多く注意が必要です

 

2.飛行機の空路

交通騒音の中でも象の大きさが大きいのが飛行機です。他の騒音とは異なる音質で人によっては非常に気になる騒音になります。事前にマンションの上空を飛行機が通る空路となっていないかどうかを確認するようにしましょう

3.コンビニ/保育園などの人が集まるリスク施設が近くにないか

人が集まるところには少なからず騒音問題が発生します。特に人の声というのは同じ音圧レベルであってもものから発生する音と比べて気になるものです。コンビニなど一部の施設では夜の時間帯まで人の出入りがある場合があります。ご自身の生活環境と合わせて、きになる時間に人の出入りが多い施設が周辺になるかどうかを確認するようにしましょう。