過去の住人の「退去(売却)理由」をヒアリングし騒音リスクを明らかにする

マンションの騒音リスクを評価する簡単な方法のひとつに「過去の住人の退去(売却)理由」等を管理会社にヒアリングする方法があります。このページでは、マンションの騒音リスクを低減するために、なぜヒアリングが重要なのか、誰にどのように聞けばよいのか、といった点を解説いたします。

騒音リスクを明らかにするためにどうしてヒアリングが重要なのか

マンションを賃貸・購入する際、下記の点からヒアリングを実施することが重要です。

自分から聞かなければ、不動産屋(仲介会社)は説明しない

マンションの前の住人の退去理由が騒音問題であったとしても、仲介会社は積極的にそれを説明しようとはしません。理由の一つは、前住人の退去理由は「告知義務(説明する義務)」がないためです。一般的にマンションの部屋で自殺や殺人などがあった場合、重要告知事項として、不動産仲介会社は説明の責任を負いますが、騒音が退去理由だったとしても告知する義務はありません。説明する必要がない事柄をあえて説明してお客様に悪い印象を与えて契約にネガティブな影響を与えたくはないため、あえて説明することはしないのです。したがって自ら積極的に聞く必要があるのです。

前住人の印象は信憑性が高い

もし前の住人が、騒音が原因で退去していれば、当然対象物件の騒音リスクは非常に高いと評価できます(同じタイミングで、騒音発生源が引越ししている場合を除く)。どんなに建物のグレードが高く、また管理が行き届いていたとしても隣人の発生させる騒音が度を越えたものであったり、一部の設備に致命的な不備があったりした場合騒音問題が発生する場合があります。前の住民が騒音を感じているのであれば最も信憑性の高い根拠となります。前の住人が極度に神経質な人であった可能性もありますが、このような物件は避けることが望ましいと考えられます。

誰に聞くべきなのかを間違えてはいけない

不動産業者に前住人のことを聞いても答えてくれない場合があります。それはあなたが対応をしてもらっている不動産業者が不動産オーナーを直接しらないからである可能性があります。一般的に不動産業者には大きく分けて4種類の業者がいます。
①買いたい人/買いたい人の対応する不動産仲介会社、
②売りたい人が対応する不動産仲介会社、
③賃貸管理会社、
④建物管理会社
おそらく多くの人はマンションを 借りたり買ったりする場合に対応してもらうのは①の業者です。一方で前の住人のことを知るためには、購入する場合は②、賃貸する場合には③の業者に問い合わせる必要があります。 対応してもらっている業者経由で②あるいは③の会社に問い合わせてもらうようにしましょう。

何をどのように聞けばよいのか

聞き方は下記のようにシンプルでかまいません。騒音問題が過去の住人の退去理由になっていないか、退去理由にはなっていなかったとしても、騒音関連の苦情がなかったかを聞きましょう。
①「過去の住人の方の退去理由(売却理由)を教えていただけますか」
②「過去の住人の方から騒音関連の苦情や相談はありませんでしたか」
③「過去の住人の居住期間はどの程度ですか」
①と②比較的直接的に聞いていますが、③は5年以上居住しているなど長期間居住している場合は住環境が優れているため騒音問題が少ないだろうと間接的に類推することが可能です。