マンションの立地地域調査による騒音リスクの評価

マンションにおける騒音リスクを評価するとき、対象のマンションが「どのような地域に立地しているのか」を確認することは騒音リスクを評価する上で重要な要素の一つです。立地とは一言で言っても、「地域の用途地域種別」といったマクロ的なものから「近隣施設の状況」といったミクロ的なものまであります。このページではそんなマンションの騒音リスクを評価する上で重要な視点について紹介させていただきます

マンションの立地の「用途地域」を確認する

人が住む地域には原則として用途地域と呼ばれる種別があります。用途地域は都道府県知事あるいは市区町村長が指定するもので、対象の地域の利用方法の方針を定めたものです。用途地域には下記のとおり12種類の種別があり、大きく分けると人が住む「住居地域」商業施設がある「商業地域」そして工場等が並ぶ「工業地域」の3種類に分けることが可能です。

騒音用途地域

なぜこの種別が重要かと言うと種別ごとに騒音に関する規制が異なるためです。工業地域よりも商業地域、商業地域よりも住居地域、住居地域の中でも住居「専用」地域、そして2種よりも1種のほうが厳しく騒音が規制されます。したがって外部からの騒音リスクを低減するためにはできるだけ住居専用地域それも2種よりも1種を選択すると良いでしょう

マンションの周辺施設を確認する

下記のような施設がマンションの近隣にないかを確認しましょう。対象の騒音にもよりますが一般的には100m 未満の距離に騒音リスク施設があると問題になることが多いようです。

■問題になりやすい周辺施設
・学校・幼稚園 _子供達の甲高い声が問題になることが多い
・カラオケ、ライブハウス_ 重低音など振動が問題になることが多い
・居酒屋_酔った人は特に声が大きく店からの騒音に加えて店の出口付近での話し声が問題になることが多い
・コンビニ、その他、人の出入りが多い施設_対象の施設からの音は出なくとも、人の出入りに伴う騒音や店や施設の前にたまっている人の話し声などが問題になることが多い
・物流施設_特に朝方や夕方のトラックの出入りの際の音が問題になることが多い
・廃品処理業者_金属をスクラップにしたり収集したりする際の騒音が問題になることが多い

マンションと施設の向き・位置関係も確認する必要がある

問題となりやすい施設がある場合、対象の施設とマンションの位置関係にも注目する必要があります。外部からの騒音の多くは窓、あるいは換気部分から侵入してくることが多いです。従って騒音発生施設が窓や換気部分の方向にあるのかそうでないのかをチェックすることでより高い精度でリスクを評価することが可能です。一方で騒音施設が窓の開口部とは逆側にあったとしても、窓側に大きなマンションや壁があり、対象施設からの反射音が入射する可能性もあり一概に騒音施設の方向に窓がないからと言って安心ができるわけではないということに注意が必要です。