
都道府県や各自治体が公表している公的データ、実際に測定した騒音レベルデータをもとに、騒音リスクのある地域、逆に騒音がなく静かな地域を当社独自に分析しました。音環境・騒音は生活の質に大きな影響を与えます。マンションや戸建てに限らず、住まい探しの際の音環境(騒音リスク)を評価する参考にしてください。
①【東京都北区版】の騒音リスクランキング(道路騒音)分析結果
■分析結果の要約
【騒音が多い地域】
・最も騒音基準値を超える割合が大きかった地域は北区滝野川6丁目(板橋駅周辺・国道17号)で、約91%の付近住居において基準値を超えている。同じ国道17号沿いでは滝野川5丁目〜滝野川6丁目(板橋駅周辺)でも65%の超過率が記録されており、国道17号(中山道)が北区の騒音リスクを最も広範囲にわたって押し上げている路線といえる。評価対象住居数は65%の区間で1,646戸と規模も大きく、滝野川エリアは道路騒音の観点から区内で際立って厳しい住環境となっている。
・次いで、国道122号沿いの岩淵町(赤羽岩淵駅周辺)で21%、台東鳩ヶ谷線沿いの田端新町1丁目〜田端新町2丁目(田端駅周辺)で11%、常盤台赤羽線沿いの赤羽1丁目〜岩淵町(赤羽岩淵駅周辺)で8%の超過率が確認されている。赤羽・岩淵エリアでは国道122号と常盤台赤羽線の2路線が騒音リスクを生んでおり、田端エリアでも複数路線での中程度の超過が見られる。
【騒音が少ない静かな地域】
・一方、田端1丁目〜田端新町3丁目(白山小台線)の1地点で基準超過率が0%であり、道路騒音の観点からは静かな住環境といえる。また、王子千住南砂町線(田端新町)・白山小台線・環状8号線・赤羽西台線の各区間では超過率が1〜2%にとどまっており、国道17号・国道122号沿いと比べて騒音リスクは大幅に低い水準となっている。
・静穏地域に共通するのは、国道や幹線道路の直接的な影響を受けにくい区道・地域路線沿いの区間であるという点だ。同じ「田端駅周辺」でも台東鳩ヶ谷線(11%)と王子千住南砂町線(4%・1%)・白山小台線(0%〜2%)では超過率が大きく異なっており、最寄り駅が同じでも面する道路によって騒音環境が著しく変わることを示している。住まい選びにあたっては、国道17号(中山道)および国道122号への近接を避けることが、静かな住環境の確保に直結する。
【基準値について】
今回の分析で用いた基準は、幹線道路近接の特例基準(昼間70dB以下・夜間65dB以下)。70dBは「掃除機の音」「電話の呼び出し音」に相当し、一般的に「かなりうるさい」とされるレベルである。
■【東京都北区版】騒音リスク地域ランキング
| NO | 開始点住所 | 終了点住所 | 最寄り駅 | 路線名 | 道路名/路線名 | 昼間・夜間いずれかで騒音基準超過率 | 評価対象 住居等 戸数 |
| 1 | 北区滝野川6丁目77 | 北区滝野川6丁目77 | 板橋駅 | JR埼京線 | 一般国道17号 | 91% | 79 |
| 2 | 北区滝野川5丁目1 | 北区滝野川6丁目77 | 板橋駅 | JR埼京線 | 一般国道17号 | 65% | 1646 |
| 3 | 北区岩淵町23 | 北区岩淵町36-1 | 赤羽岩淵駅 | 東京メトロ南北線 | 一般国道122号 | 21% | 785 |
| 4 | 北区田端新町1丁目24 | 北区田端新町2丁目8 | 田端駅 | JR山手線 | 台東鳩ヶ谷線 | 11% | 433 |
| 5 | 北区赤羽1丁目67 | 北区岩淵町38 | 赤羽岩淵駅 | 東京メトロ南北線 | 常盤台赤羽線 | 8% | 488 |
| 6 | 北区田端新町3丁目19 | 北区田端新町2丁目26 | 田端駅 | JR山手線 | 王子千住南砂町線 | 4% | 2135 |
| 7 | 北区田端新町3-23-13 | 北区田端新町3-29-10 | 西日暮里駅 | JR山手線 | 白山小台線 | 2% | 295 |
| 8 | 北区田端新町2丁目26 | 北区田端新町2丁目28 | 田端駅 | JR山手線 | 王子千住南砂町線 | 1% | 429 |
| 9 | 北区東田端1-13 | 北区田端新町2-8-8 | 田端駅 | JR山手線 | 白山小台線(2) | 1% | 1102 |
| 10 | 北区赤羽北2-21-9 | 北区岩淵町38 | 赤羽岩淵駅 | 東京メトロ南北線 | 環状8号線 | 1% | 2628 |
| 11 | 北区赤羽北2丁目24 | 北区浮間3丁目1 | 浮間舟渡駅 | JR埼京線 | 赤羽西台線 | 1% | 178 |
| 12 | 北区田端1丁目20 | 北区田端新町3丁目13 | 田端駅 | JR山手線 | 白山小台線 | 0% | 728 |
■分析方法、情報源
※自動車騒音常時監視2024をもとに分析。
②騒音の体感目安や基準値
騒音レベルはデシベル(db)という単位で示されます。それぞれの騒音レベルの体感値や、基準値は下記の通りです。
■騒音レベルと体感目安の対応
| 騒音レベル(dB) | 体感レベル | 具体例 |
|---|---|---|
| 20 dB | 非常に静か | 木の葉のふれあう音 |
| 30 dB | 静かな住宅地 | 深夜の郊外 |
| 40 dB | 静かな室内 | 図書館 |
| 50 dB | 普通の静けさ | 静かな事務所 |
| 60 dB | ややうるさい | 普通の会話 |
| 65 dB | 生活騒音レベル | 幹線道路沿い住宅 |
| 70 dB | かなりうるさい | 交通量の多い道路 |
| 75 dB | 強い騒音 | 幹線道路の歩道 |
| 80 dB | 非常にうるさい | 電車通過時 |
| 90 dB | 耳が疲れる | 工場・大型車 |
| 100 dB | 長時間は危険 | 電車ガード下 |
| 110 dB | 短時間でも危険 | クラクション |
| 120 dB | 痛みを感じる | ジェット機近距離 |
■環境基準
環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)が指定する。
| 地域の類型 | 基準値 | |
|---|---|---|
| 昼間 | 夜間 | |
| AA | 50デシベル以下 | 40デシベル以下 |
| A及びB | 55デシベル以下 | 45デシベル以下 |
| C | 60デシベル以下 | 50デシベル以下 |
ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という。)については、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
| 地域の区分 | 基準値 | |
|---|---|---|
| 昼間 | 夜間 | |
| A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域 | 60デシベル以下 | 55デシベル以下 |
| B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及び C地域のうち車線を有する道路に面する地域 | 65デシベル以下 | 60デシベル以下 |
備考 車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
| 基準値 | |
|---|---|
| 昼間 | 夜間 |
| 70デシベル以下 | 65デシベル以下 |
| 備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。 | |
※出典:東京都環境局
③ 表に記載の騒音基準超過率が高い=その地域の住居がすべてうるさいわけではない
道路交通騒音の測定データは、地域の騒音環境を把握するうえで非常に参考になる情報です。しかし、表に掲載されている騒音レベルが高いからといって、その地域にあるすべての住居が必ずしも「うるさい」わけではありません。実際の住環境の騒音は、多くの要因によって大きく変化します。
日々騒音は変化する
道路交通騒音は常に一定ではありません。時間帯や曜日、交通量、天候などによって大きく変動します。例えば、
- 通勤時間帯は交通量が増えるため騒音が大きくなる
- 夜間は交通量が減り比較的静かになる
- 雨の日は路面とタイヤの摩擦音が大きくなる
など、同じ場所でも騒音環境は日々変化しています。今回示した測定データはあくまでのその測定期間のデータである点に留意が必要です。
騒音発生源から離れれば騒音値は下がる
騒音は、発生源から距離が離れるほど減衰します。例えば幹線道路の場合でも、
- 道路沿いの建物
- 一本奥に入った住宅
- さらに奥の住宅地
では、体感できる騒音レベルが大きく異なることがあります。また、
- 建物が遮音壁のような役割を果たす
- 高低差がある
- 周囲に別の建物がある
といった要素でも騒音は変化します。
同じ住所のマンションでも階数や窓の向きで大きく変わる
同じマンションでも、住戸によって騒音環境は大きく異なります。例えば次のような違いがあります。
窓の向き
- 道路側の住戸 → 騒音が入りやすい
- 中庭側の住戸 → 比較的静かなケースが多い
階数
- 低層階 → 車両音が聞こえやすい
- 高層階 → 交通音が遠くまで届くケースもある
このように、同じマンションでも住戸ごとに騒音環境は大きく異なります。
同じ部屋でも建物構造やサッシ性能で騒音は変わる
室内で聞こえる騒音は、建物の性能によっても大きく変化します。例えば次のような要素があります。
建物構造
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄骨造
- 木造
窓サッシ
- 単板ガラス
- ペアガラス
- 防音サッシ
特に窓は騒音の侵入経路になりやすいため、サッシ性能によって体感騒音が大きく変わることがあります。
騒音問題は道路騒音だけではない
住まいの騒音問題は、道路交通騒音だけに限りません。例えば次のような騒音源もあります。
- 上階からの生活音
- 隣室からの音
- 鉄道騒音
- 航空機騒音
- 商業施設や店舗の音
- 工場・事業所の音
つまり、道路騒音のデータだけでは住まいの騒音環境を完全に判断することはできません。このように本記事でお示しした騒音はあくまでのその地域の騒音の一側面を表しているに過ぎないということです。
④ 騒音は個別性が高い問題だから、個別の住居での調査が有効
住まいの騒音問題の大きな特徴は、個別性が非常に高いことです。同じ地域でも
- 建物
- 住戸
- 階数
- 窓の向き
などによって、騒音環境は大きく変わります。そのため、騒音リスクを正確に把握するには「その住戸で実際に調査・評価すること」が最も確実です。このような課題・ニーズにこたえるため、当社では住まいの騒音リスク診断サービスを提供しています。
⑤ 住まいの騒音リスク評価なら当社にお任せください。無料でリスク評価いたします。
当社では、住まいの騒音リスクを重視した不動産選びをサポートしています。
一般的な不動産情報では、
- 価格
- 駅距離
- 築年数
などが中心ですが、「騒音環境」については十分に説明されないケースも少なくありません。
しかし実際には、騒音は住み心地を大きく左右する重要な要素です。当社では、騒音の専門家として、様々な観点から住まいの騒音リスクを評価するサービスを提供しています。
当社の騒音リスク評価の方法については>>こちらのページで説明しています(マンションの騒音リスクの調査方法)。
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という方は、お気軽にご相談ください。住まい選びで後悔しないために、
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