マンションの騒音リスクの調査方法【チェックリスト】

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マンションの騒音リスクの調査方法【チェックリスト】

マンションの騒音リスクは「8つの視点」で判断する

当社では、マンションの騒音リスクを感覚ではなく下記のような8つの視点から評価しています。本記事では、その考え方とチェックポイントを分かりやすく解説します。

  1. 建物構造
  2. 設備仕様
  3. 部屋の位置と間取り
  4. 立地・周辺環境
  5. 管理体制・ルール
  6. 住人・過去トラブルの実態
  7. 住人マナー・管理状況
  8. 計測器による客観データ

実際に使用しているチェックリストを一部公開!

具体的には下記のような表を用いて騒音リスクの評価を行っています。一つの物件ですべての項目を調査するわけではなく、適宜必要なチェック項目を使用しています。一部項目は専門的・センシティブな内容を含むため非公開としています。下記からpdfファイルをダウンロードいただくことも可能です。

区分 No 診断項目 評価のポイント
①構造評価 1 重量床衝撃音(LH)遮音等級 重く低い音が床を介して階下へ伝わる性能を示す指標。数値が小さいほど遮音性能が高く、LH-50以下が望ましい。
2 軽量床衝撃音(LL)遮音等級 スリッパの足音や物を落とした際の高い音を対象とした指標。数値が小さいほど性能が高く、LL-45以下が推奨される。
3 室間騒音(D値) 戸境壁の遮音性能を示す指標。数値が大きいほど性能が高く、D-40以上が一般的な基準。
4 床スラブ厚 コンクリート床の厚み。150mm以下は注意が必要、200mm以上であれば遮音性は比較的良好と評価できる。
5 ボイドスラブ構造 床内部に空洞(ボイド)がある構造かを確認。採用されている場合は、遮音対策(充填材・仕上げ構造)が適切かを確認する。
6 二重床・二重天井の構造確認 浮き床・二重天井構造かを確認し、特に低音・重量衝撃音への対策有無を評価。
7 戸境壁(隣戸との壁)の厚み 壁が厚いほど遮音性能は高い傾向にあり、図面・仕様書から数値を確認する。
8 非公開 非公開
②設備評価 9 サッシの等級と仕様 T-1~T-4の遮音等級を確認。加えて、二重サッシや複層ガラスの有無を確認する。
10 玄関ドアの遮音性 遮音等級(T-1~T-4)、ドア本体の厚み、枠との隙間(気密性)等を総合的にチェック。
11 給排水管の位置と遮音材 排水の立て管が寝室に近接していないか、防音材が適切に施工されているかを確認。
12 パイプスペース(PS)の位置 PSが寝室やリビングに隣接していないかを確認するとともに、内部の遮音対策状況をチェック。
13 非公開 非公開
③部屋の位置と間取りの評価 14 所在階(最上階か否か) 最上階は上階からの生活騒音リスクが最も低い。
15 隣室はあるか 角部屋など隣接住戸が少ない場合、隣戸騒音のリスクは低い。
16 寝室・上階の間取り 寝室の上下階がリビング等、騒音が発生しやすい配置になっていないかを確認。
17 ベランダの方向 幹線道路、線路、商業施設などの騒音源に面していないかを確認。
18 駐車場との位置関係 駐車場・車道に近い住戸は騒音リスクが高いため、距離が確保されているかを確認。
19 ごみ収集場所の位置 収集車の騒音や、早朝のごみ出しによる生活音リスクを評価。
20 非公開 非公開
④立地・周辺環境・外部騒音の評価 21 用途地域の確認 住居が立地する用途地域を確認し、将来的な騒音リスクも含めて評価。
22 幹線道路からの距離と交通量 交通量・大型車比率を確認し、ロードノイズや振動の影響を評価。
23 鉄道・線路からの距離 線路との距離や運行頻度を調査し、騒音・振動リスクを評価。
24 非公開 非公開
25 周辺商業施設の業態・時間帯 飲食店、カラオケ店等、夜間騒音を発生させやすい施設の有無と営業時間を調査。
26 公園・広場の利用状況 子供の声やイベント、溜まり場等となる騒音要素を調査。
27 緊急車両の通行頻度 消防署・病院が近く、サイレン音が頻繁に聞こえないかを確認。
28 非公開 非公開
⑤管理体制・ルールの評価 29 管理規約の騒音関連規定 楽器演奏(時間制限)、リフォーム(遮音等級規定)、ペットの飼育細則等の具体性を確認。
30 共用部分の掲示物 特に騒音注意の貼り紙が頻繁に更新されていないかを確認。トラブルの発生状況を推測。
31 理事会・組合の活動状況 非公開
32 過去の騒音トラブル履歴 非公開
33 非公開 非公開
⑥住人ヒアリング、過去トラブル、実態調査 34 居住者へのヒアリング・アンケート 非公開
35 管理人・管理会社ヒアリング 非公開
36 過去の居住者の退去理由ヒアリング 非公開
37 重要事項説明書における告知事項 重要事項説明書に騒音トラブルや周辺施設の騒音に関する告知事項がないかを確認する。
38 非公開 非公開
⑦住人のマナー管理状況のチェック 39 民泊・短期賃貸等の有無 不特定多数の出入りによる深夜の騒音、パーティー利用等のリスクがないかを確認。
40 賃貸住戸の割合 非公開
41 玄関共用部の管理状況 玄関・周辺にタバコの吸い殻やゴミが落ちていないかをチェックする。
42 非公開 非公開
43 非公開 非公開
44 非公開 非公開
45 住民属性の把握 非公開
46 非公開 非公開
47 非公開 非公開
48 住人の生活リズム 非公開
⑧計測器調査、データ分析 49 騒音計による騒音測定 居室内で等価デシベル(dB)値を測定。時間帯別(昼夜)の騒音レベルを確認。
50 振動測定器による測定 建物に伝わる振動を測定。
51 低周波音レベル計による測定 耳に感じにくい低周波音の有無・レベルを測定し、健康影響リスクを評価。
52 非公開 非公開

① 建物構造から見るマンション騒音リスク

重量床衝撃音(LH)・軽量床衝撃音(LL)とは

重量床衝撃音は子どもの飛び跳ねなど低く重い音、軽量床衝撃音はスリッパ音や物を落とした際の高い音を対象とします。数値が小さいほど遮音性能が高く、LH-50以下、LL-45以下が一つの目安です。

室間騒音(D値)と戸境壁の重要性

D値は隣戸との壁の遮音性能を示します。D-40以上が一般的基準で、壁厚や構造によって実際の聞こえ方は大きく変わります。

床スラブ厚・ボイドスラブの影響

床スラブが薄いほど重量衝撃音が伝わりやすくなります。150mm以下は注意が必要で、200mm以上あると比較的安心です。ボイドスラブ構造では追加の遮音対策の有無が重要になります。

二重床・二重天井は万能ではない

二重構造は軽量音には有効ですが、低音や振動には必ずしも有利とは限りません。構造全体で判断する必要があります。


② 設備が原因で発生する生活騒音のチェックポイント

サッシ・窓の遮音性能

遮音等級(T-1〜T-4)に加え、二重サッシや複層ガラスの有無が外部騒音に大きく影響します。

玄関ドアから漏れる音

ドアの厚み、気密性、ドアスコープや郵便受けの仕様により、共用廊下の音が室内に入りやすくなります。

給排水管・パイプスペース(PS)

管が寝室やリビングに隣接していると、上下階の生活音や水音が響きやすくなります。

換気口の配置

隣戸の換気口と向かい合っている場合、会話や生活音が想像以上に伝わることがあります。


③ 部屋の位置・間取りによる騒音リスクの違い

最上階・角部屋でも安心できない理由

最上階は上階騒音は少ないものの、屋上設備音や外部騒音の影響を受けることがあります。角部屋でも上下階の配置が重要です。

上下階・隣室の間取り配置

自室の寝室の上下や隣がリビングの場合、生活時間帯のズレによる騒音リスクが高まります。

ベランダ・共用部との位置関係

道路、線路、駐車場、ゴミ置き場、エレベーターシャフトに近い住戸は注意が必要です。


④ 立地・周辺環境による外部騒音リスク

用途地域が示す将来リスク

現在静かでも、用途地域によっては将来的に商業施設や交通量が増える可能性があります。

道路・鉄道・航空機騒音

距離だけでなく、交通量、運行時間帯、車種・車両特性まで確認することが重要です。

商業施設・公園・学校の影響

夜間営業の店舗や、行事時に音が出やすい施設が近くにないかを確認します。


⑤ 管理体制で決まる騒音トラブルの起きやすさ

管理規約の具体性

楽器演奏、リフォーム時の遮音規定、ペットルールなどが明文化されているかを確認します。

掲示物・理事会の動き

騒音注意の掲示が頻繁な場合、トラブルが多い可能性があります。

過去トラブルと管理会社の対応

過去の議事録や対応履歴から、問題解決力を評価します。


⑥ 実際の住人・過去事例から騒音リスクを見抜く

前入居者の退去理由

騒音が理由に含まれていないかは重要な判断材料です。

ヒアリングによる実態把握

管理人・居住者からの聞き取りは、最も現実的な情報源です。

告知事項・口コミ調査

重要事項説明書やSNS、掲示板も参考にします。


⑦ 住人のマナーと管理状況が示す生活音リスク

民泊・短期賃貸の有無

不特定多数の出入りは深夜騒音リスクを高めます。

共用部・ゴミ置き場の管理状態

管理が行き届いているマンションほど、生活音トラブルは起きにくい傾向があります。

生活リズムの傾向

深夜活動が多いかを推測します。


⑧ 計測器によるマンション騒音の数値化

騒音計による測定

居室内で時間帯別に音圧レベルを測定します。

振動・低周波音測定

体感的な不快感の原因となる振動や低周波音を確認します。

音響透過損失測定

壁やドアを介してどれだけ音が減衰するかを実測します。


チェックリストで分かる騒音リスクが高いマンションの特徴

構造・立地・管理のいずれか一つではなく、複数の弱点が重なっているマンションは注意が必要です。事前確認が後悔を防ぎます。


当社のマンション騒音リスク診断サービス

当社では、仲介をご依頼いたいたお客様向けに、マンション購入前・入居前に騒音リスク診断を無料で行っています。


騒音で後悔しないマンション選びのために

騒音問題は、起きてからでは解決が難しい問題です。
だからこそ、選ぶ前・決める前の確認が重要です。

マンションの騒音リスクを正しく理解し、納得できる住まい選びを行いましょう。

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