
都道府県や各自治体が公表している公的データ、実際に測定した騒音レベルデータをもとに、騒音リスクのある地域、逆に騒音がなく静かな地域を当社独自に分析しました。音環境・騒音は生活の質に大きな影響を与えます。マンションや戸建てに限らず、住まい探しの際の音環境(騒音リスク)を評価する参考にしてください。
①【東京都墨田区版】の騒音リスクランキング(道路騒音)分析結果
■分析結果の要約
【騒音が多い地域】
・最も騒音基準値を超える割合が大きかった地域は墨田区本所1丁目〜向島5丁目(曳舟駅周辺・高速6号向島線)で、約87%の付近住居において基準値を超えている。同じ高速6号向島線沿いでは堤通〜墨田(鐘ヶ淵駅周辺)でも77%と、上位2地点がいずれも高速6号向島線(首都高)沿いに集中しており、高速道路の高架騒音が墨田区の騒音リスクを最も強く押し上げている路線といえる。千歳〜本所1丁目(蔵前駅周辺)でも37%が記録されており、高速6号向島線は区の北西部から南部にかけて広範囲で騒音リスクの高い回廊を形成している。
・次いで、国道14号沿いの両国1丁目〜緑3丁目(両国駅周辺)で20%、国道6号沿いの向島2丁目〜東向島3丁目(東向島駅周辺)で19%、緑4丁目〜江東橋(錦糸町駅周辺)でも19%、東向島3丁目〜墨田4丁目(鐘ヶ淵駅周辺)で17%と、複数の幹線道路沿いで中程度の超過率が連続している。評価対象住居数は国道6号(向島〜東向島区間)で3,803戸、国道14号(両国〜緑区間)で3,298戸、環状3号線(向島〜錦糸町区間)で3,870戸と非常に多く、影響を受ける住民の規模という観点でも看過できない水準だ。上位10地点内に高速6号向島線・国道14号・国道6号・環状3号線・本郷亀戸線と5路線が並び、墨田区は区内の複数幹線道路が同時多発的に騒音リスクを生んでいる点が特徴的だ。
【騒音が少ない静かな地域】
・一方、本所1丁目〜横川3丁目(区道墨105号)、本所〜千歳(上野月島線)、業平4丁目〜業平5丁目(本郷亀戸線)、立花・文花エリア(王子千住南砂町線・南砂町吾嬬町線)、東向島4丁目〜堤通(吾妻橋伊興町線)、押上〜京島(深川吾嬬線)など13地域で基準超過率が0%であり、道路騒音の観点からは静かな住環境といえる。
・静穏地域に共通するのは、高速道路や幹線国道から一定の距離をおいた区道・生活道路沿いの区間であるという点だ。同じ「本郷亀戸線」沿いでも吾妻橋・本所周辺(NO.10・11)では8%・7%の超過が記録されている一方、業平4丁目〜業平5丁目(NO.28)・業平5丁目〜文花(NO.36)では0%となっており、同じ路線名でも区間・位置によって騒音環境が大きく異なることを示している。住まい選びにあたっては、高速6号向島線・国道6号・国道14号への近接を避けることが、静かな住環境の確保に直結する。
【基準値について】
今回の分析で用いた基準は、幹線道路近接の特例基準(昼間70dB以下・夜間65dB以下)。70dBは「掃除機の音」「電話の呼び出し音」に相当し、一般的に「かなりうるさい」とされるレベルである。
■【東京都墨田区版】騒音リスク地域ランキング
| NO | 開始点住所 | 終了点住所 | 最寄り駅 | 路線名 | 道路名/路線名 | 昼間・夜間いずれかで騒音基準超過率 | 評価対象 住居等 戸数 |
| 1 | 墨田区本所1丁目36 | 墨田区向島5丁目9 | 曳舟駅 | 東武伊勢崎線 | 高速6号向島線 | 87% | 296 |
| 2 | 墨田区堤通 | 墨田区墨田 | 鐘ヶ淵駅 | 東武伊勢崎線 | 高速6号向島線 | 77% | 209 |
| 3 | 墨田区向島 | 墨田区向島2丁目22 | 本所吾妻橋駅 | 都営浅草線 | 一般国道6号 | 39% | 184 |
| 4 | 墨田区千歳 | 墨田区本所1丁目36 | 蔵前駅 | 都営浅草線 | 高速6号向島線 | 37% | 609 |
| 5 | 墨田区両国1丁目11 | 墨田区緑3丁目17 | 両国駅 | JR中央・総武線 | 一般国道14号 | 20% | 3298 |
| 6 | 墨田区向島2丁目22 | 墨田区東向島3丁目39 | 東向島駅 | 東武伊勢崎線 | 一般国道6号 | 19% | 3803 |
| 7 | 墨田区緑4丁目30 | 墨田区江東橋1丁目9 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 一般国道14号 | 19% | 871 |
| 8 | 墨田区東向島3丁目39 | 墨田区墨田4丁目62 | 鐘ヶ淵駅 | 東武伊勢崎線 | 一般国道6号 | 17% | 2532 |
| 9 | 墨田区向島1丁目11 | 墨田区緑4丁目30 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 環状3号線 | 13% | 3870 |
| 10 | 墨田区吾妻橋1丁目1 | 墨田区吾妻橋1丁目7 | 本所吾妻橋駅 | 都営浅草線 | 本郷亀戸線 | 8% | 859 |
| 11 | 墨田区本所 | 墨田区本所1丁目21 | 本所吾妻橋駅 | 都営浅草線 | 本郷亀戸線 | 7% | 104 |
| 12 | 墨田区千歳1丁目3 | 墨田区江東橋4丁目1 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 高速7号小松川線 | 6% | 3552 |
| 13 | 墨田区緑4丁目19 | 墨田区菊川3丁目1 | 菊川駅 | 都営新宿線 | 環状3号線 | 4% | 1831 |
| 14 | 墨田区東向島3丁目10 | 墨田区東向島3丁目39 | 東向島駅 | 東武伊勢崎線 | 王子千住南砂町線 | 3% | 1213 |
| 15 | 墨田区八広6丁目4 | 墨田区東墨田3丁目21 | 八広駅 | 京成押上線 | 新荒川堤防線 | 2% | 639 |
| 16 | 墨田区向島5丁目9 | 墨田区堤通 | 東向島駅 | 東武伊勢崎線 | 高速6号向島線 | 2% | 318 |
| 17 | 墨田区墨田5丁目23 | 墨田区墨田4丁目62 | 鐘ヶ淵駅 | 東武伊勢崎線 | 新荒川堤防線 | 2% | 634 |
| 18 | 墨田区江東橋1丁目9 | 墨田区江東橋4丁目30 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 一般国道14号 | 2% | 1338 |
| 19 | 墨田区吾妻橋1丁目7 | 墨田区業平3丁目14 | 押上駅 | 東京メトロ半蔵門線 | 本郷亀戸線 | 2% | 2062 |
| 20 | 墨田区石原1丁目27 | 墨田区太平3丁目9 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 御徒町小岩線 | 2% | 3866 |
| 21 | 墨田区東向島3丁目39 | 墨田区文花3丁目24 | 小村井駅 | 東武亀戸線 | 王子千住南砂町線 | 1% | 2669 |
| 22 | 墨田区菊川1丁目1 | 墨田区菊川2丁目5 | 菊川駅 | 都営新宿線 | 東京市川線 | 1% | 710 |
| 23 | 墨田区江東橋3丁目1 | 墨田区押上3丁目3 | 押上駅 | 東京メトロ半蔵門線 | 深川吾嬬線 | 1% | 2976 |
| 24 | 墨田区菊川3丁目7 | 墨田区江東橋5丁目3 | 住吉駅 | 都営新宿線 | 東京市川線 | 1% | 878 |
| 25 | 墨田区本所1丁目21 | 墨田区横川3丁目11 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 区道墨105号 | 0% | 1939 |
| 26 | 墨田区本所1丁目21 | 墨田区千歳3丁目1 | 森下駅 | 都営新宿線 | 上野月島線 | 0% | 2792 |
| 27 | 墨田区吾妻橋1丁目1 | 墨田区本所1丁目21 | 本所吾妻橋駅 | 都営浅草線 | 上野月島線 | 0% | 684 |
| 28 | 墨田区業平4丁目16 | 墨田区業平5丁目 | 押上駅 | 東京メトロ半蔵門線 | 本郷亀戸線 | 0% | 729 |
| 29 | 墨田区立花5丁目2 | 墨田区文花2丁目1 | 押上駅 | 東京メトロ半蔵門線 | 王子千住南砂町線 | 0% | 1101 |
| 30 | 墨田区立花 | 墨田区立花5丁目2 | 東あずま駅 | 東武亀戸線 | 南砂町吾嬬町線 | 0% | 1452 |
| 31 | 墨田区東向島4丁目1 | 墨田区堤通2丁目12 | 鐘ヶ淵駅 | 東武伊勢崎線 | 吾妻橋伊興町線 | 0% | 2422 |
| 32 | 墨田区堤通 | 墨田区東向島3丁目10 | 東向島駅 | 東武伊勢崎線 | 王子千住南砂町線 | 0% | 45 |
| 33 | 墨田区太平3丁目9 | 墨田区太平4丁目5 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 御徒町小岩線 | 0% | 1059 |
| 34 | 墨田区江東橋4丁目1 | 墨田区江東橋4丁目2 | 錦糸町駅 | JR中央・総武線 | 高速7号小松川線 | 0% | 284 |
| 35 | 墨田区向島5丁目5 | 墨田区東向島4丁目1 | 東向島駅 | 東武伊勢崎線 | 吾妻橋伊興町線 | 0% | 1227 |
| 36 | 墨田区業平5丁目 | 墨田区文花2丁目2 | 押上駅 | 東京メトロ半蔵門線 | 本郷亀戸線 | 0% | 163 |
| 37 | 墨田区押上3丁目3 | 墨田区京島1丁目53 | 曳舟駅 | 東武伊勢崎線 | 深川吾嬬線 | 0% | 1280 |
■分析方法、情報源
※自動車騒音常時監視2024をもとに分析。
②騒音の体感目安や基準値
騒音レベルはデシベル(db)という単位で示されます。それぞれの騒音レベルの体感値や、基準値は下記の通りです。
■騒音レベルと体感目安の対応
| 騒音レベル(dB) | 体感レベル | 具体例 |
|---|---|---|
| 20 dB | 非常に静か | 木の葉のふれあう音 |
| 30 dB | 静かな住宅地 | 深夜の郊外 |
| 40 dB | 静かな室内 | 図書館 |
| 50 dB | 普通の静けさ | 静かな事務所 |
| 60 dB | ややうるさい | 普通の会話 |
| 65 dB | 生活騒音レベル | 幹線道路沿い住宅 |
| 70 dB | かなりうるさい | 交通量の多い道路 |
| 75 dB | 強い騒音 | 幹線道路の歩道 |
| 80 dB | 非常にうるさい | 電車通過時 |
| 90 dB | 耳が疲れる | 工場・大型車 |
| 100 dB | 長時間は危険 | 電車ガード下 |
| 110 dB | 短時間でも危険 | クラクション |
| 120 dB | 痛みを感じる | ジェット機近距離 |
■環境基準
環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)が指定する。
| 地域の類型 | 基準値 | |
|---|---|---|
| 昼間 | 夜間 | |
| AA | 50デシベル以下 | 40デシベル以下 |
| A及びB | 55デシベル以下 | 45デシベル以下 |
| C | 60デシベル以下 | 50デシベル以下 |
ただし、次表に掲げる地域に該当する地域(以下「道路に面する地域」という。)については、上表によらず次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
| 地域の区分 | 基準値 | |
|---|---|---|
| 昼間 | 夜間 | |
| A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域 | 60デシベル以下 | 55デシベル以下 |
| B地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及び C地域のうち車線を有する道路に面する地域 | 65デシベル以下 | 60デシベル以下 |
備考 車線とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分をいう。この場合において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表にかかわらず、特例として次表の基準値の欄に掲げるとおりとする。
| 基準値 | |
|---|---|
| 昼間 | 夜間 |
| 70デシベル以下 | 65デシベル以下 |
| 備考 個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。 | |
※出典:東京都環境局
③ 表に記載の騒音基準超過率が高い=その地域の住居がすべてうるさいわけではない
道路交通騒音の測定データは、地域の騒音環境を把握するうえで非常に参考になる情報です。しかし、表に掲載されている騒音レベルが高いからといって、その地域にあるすべての住居が必ずしも「うるさい」わけではありません。実際の住環境の騒音は、多くの要因によって大きく変化します。
日々騒音は変化する
道路交通騒音は常に一定ではありません。時間帯や曜日、交通量、天候などによって大きく変動します。例えば、
- 通勤時間帯は交通量が増えるため騒音が大きくなる
- 夜間は交通量が減り比較的静かになる
- 雨の日は路面とタイヤの摩擦音が大きくなる
など、同じ場所でも騒音環境は日々変化しています。今回示した測定データはあくまでのその測定期間のデータである点に留意が必要です。
騒音発生源から離れれば騒音値は下がる
騒音は、発生源から距離が離れるほど減衰します。例えば幹線道路の場合でも、
- 道路沿いの建物
- 一本奥に入った住宅
- さらに奥の住宅地
では、体感できる騒音レベルが大きく異なることがあります。また、
- 建物が遮音壁のような役割を果たす
- 高低差がある
- 周囲に別の建物がある
といった要素でも騒音は変化します。
同じ住所のマンションでも階数や窓の向きで大きく変わる
同じマンションでも、住戸によって騒音環境は大きく異なります。例えば次のような違いがあります。
窓の向き
- 道路側の住戸 → 騒音が入りやすい
- 中庭側の住戸 → 比較的静かなケースが多い
階数
- 低層階 → 車両音が聞こえやすい
- 高層階 → 交通音が遠くまで届くケースもある
このように、同じマンションでも住戸ごとに騒音環境は大きく異なります。
同じ部屋でも建物構造やサッシ性能で騒音は変わる
室内で聞こえる騒音は、建物の性能によっても大きく変化します。例えば次のような要素があります。
建物構造
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄骨造
- 木造
窓サッシ
- 単板ガラス
- ペアガラス
- 防音サッシ
特に窓は騒音の侵入経路になりやすいため、サッシ性能によって体感騒音が大きく変わることがあります。
騒音問題は道路騒音だけではない
住まいの騒音問題は、道路交通騒音だけに限りません。例えば次のような騒音源もあります。
- 上階からの生活音
- 隣室からの音
- 鉄道騒音
- 航空機騒音
- 商業施設や店舗の音
- 工場・事業所の音
つまり、道路騒音のデータだけでは住まいの騒音環境を完全に判断することはできません。このように本記事でお示しした騒音はあくまでのその地域の騒音の一側面を表しているに過ぎないということです。
④ 騒音は個別性が高い問題だから、個別の住居での調査が有効
住まいの騒音問題の大きな特徴は、個別性が非常に高いことです。同じ地域でも
- 建物
- 住戸
- 階数
- 窓の向き
などによって、騒音環境は大きく変わります。そのため、騒音リスクを正確に把握するには「その住戸で実際に調査・評価すること」が最も確実です。このような課題・ニーズにこたえるため、当社では住まいの騒音リスク診断サービスを提供しています。
⑤ 住まいの騒音リスク評価なら当社にお任せください。無料でリスク評価いたします。
当社では、住まいの騒音リスクを重視した不動産選びをサポートしています。
一般的な不動産情報では、
- 価格
- 駅距離
- 築年数
などが中心ですが、「騒音環境」については十分に説明されないケースも少なくありません。
しかし実際には、騒音は住み心地を大きく左右する重要な要素です。当社では、騒音の専門家として、様々な観点から住まいの騒音リスクを評価するサービスを提供しています。
当社の騒音リスク評価の方法については>>こちらのページで説明しています(マンションの騒音リスクの調査方法)。
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